そもそもAIカメラとは?
そもそもAIカメラとは?
まず、AIカメラとはAI(人工知能)を搭載したカメラのことです。
通常のカメラとは異なり、AIカメラでは撮影された映像を解析し、写っているヒト・モノを認識し、動きを捉えることができます。
解析方法は2種類あり、それぞれできることが異なります。
①あらかじめヒト・モノのデータを登録し、それに合致したヒト・モノがカメラに映り込んだ場合に検知 例)入退室管理、異物検知など
②映り込んだ映像をリアルタイム、または事後的に分類 例)通行人の数・密度・年齢の判断、ヒトの動きの変化を検知など
それでは、これらの機能を備えたAIカメラ活用による工場の安全性向上につながった事例を2つ紹介します。
AIカメラで安全な職場に
AIカメラで安全な職場に
活用例① 侵入検知機能を用いた装置の自動停止
A工場では、ベルトコンベア付きの破砕機を用いて原料(金属製品の廃棄物)を破砕していました。
ある日、ベルトコンベア稼働中に原料が詰まってしまったため、作業者がベルトコンベアに乗り手作業で詰まりを解消していました。
その際、作業者に原料が覆いかぶさるように崩れ身動きがとれなくなり、原料が崩れた拍子にベルトコンベア動き始めましたが、同僚が異変に気づき装置を緊急停止したため大事を免れました。
この時、装置を停止してからベルトコンベア内に立入れば、危険はなかった、非定常作業のためマニュアルもなく装置を切らずに安易に立入っていしまった。
このように普段は気を付けていても、一度の安易な考えで大事故につながる可能性がありました。
そこで、A工場では装置周辺が見渡せる天井にAIカメラを設置し、あらかじめ設定した危険区域へのヒトの侵入を検知した際、稼働前の装置は稼働できない、また、稼働中はアラート発砲後自動停止するようにしました。
これにより、今回のような非定常作業時の事故を自動で防止することにつながります。
活用例② 転倒検知による体調不良者の早期発見
B工場では、劇物を取り扱う作業者は厚手の保護具を着用することになっています。
エアコンがない作業場もあるため、夏場は熱中症になる危険性がありました。
また、B工場は止む無き事情で一人作業を実施する工程があります。
そのため、万が一、熱中症や毒性ガスの吸引などの急病で倒れた際に誰も気づかず発見が遅れることが考えられていました。
そこで、一人作業になりやすい箇所にAIカメラを設置し、転倒などの急な姿勢の変化を起こした際に事務所でアラームがなるようにしました。
これにより、転倒時の早期発見につながり、重症化の予防などにつながります。
まとめ
以上、AIカメラ活用による危険検知の自動化についてお話ししましたが参考になりましたでしょうか。
このようにAIカメラでは人の注意力だけではケアしきれない事象についてサポートをしてくれます。
AIカメラ活用による工場の安全対策には、他にもフォークリフトの動線への立入検知、液体などの漏洩検知、夜間自動運転機器の異常検知など、AIカメラでできることは多岐にわたります。
安全な職場づくりの参考になったら幸いです。